2012年6月9日土曜日

Metasequoia Ver3.1 Beta2 公開

Ver3.1 Beta2を公開しました。

まず前回のβから仕様変更になっている点について。グレースケール画像を凸凹マップに読み込んだときに法線マップには変換せず、ペイントパネル上でそのまま表示・修正できるようになりました。当然ペイントコマンドを使って3D上で直接ペイントすることもできます。法線マップに変換したい場合はペイントパネルのメニューからです。

それから新機能の紹介です。Catmull-Clark曲面のエッジに対して先鋭にするかどうかを指定できるようになりました。辺を選択してから[曲面にエッジをつける・消す(Catmull-Clark)]メニューを呼び出すか、[ウェイト]コマンドで辺をクリックすると、下図の右側の面のようにくっきりとした折れ目をつけることができます。

曲面化すると滑らかになりすぎて困ることがありましたが、この機能によってメカや工業製品のようなものにもCatmull-Clark曲面を利用できるようになり、モデリングの自由度がかなり上がるものと思います。

また、隣に共有する面がなくて辺が開いている場合も同様の処理が行われるよう変更されています。この場合は、逆に以前のバージョンと同じにすることはできませんのでご注意を。

さらにCatmull-Clark曲面にはもう一つ改良が加えられています。オブジェクトの設定に[三角形を保持]が追加されました。従来のものと切り替えて新しい分割アルゴリズムを使用することができます。

左側が従来通りのもの、そして右側が新たに可能になった四角形と三角形が混在したCatmull-Clark曲面です。オリジナルのメッシュで三角形になっているところがさらに細かい三角形に分割されていることがわかるでしょうか。

三角形のままで分割して何の意味があるの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、1つ目のメリットとして、三角形が分割された後の(三角形換算での)面数が少なくなります。分割レベルを1段階上げたとき、従来だと3つの四角形=6つの三角形に分割されていたのが、新しい手法では4つの三角形で済みます。

そして2つ目のメリットは四角形と三角形が混在したオブジェクトに対して、より滑らかな曲面を得られるということです。


円筒をそのまま曲面化しただけですが、左側の従来のものは四角形と三角形の境界となる付近の表面がわずかにでこぼこしているため、スペキュラハイライトが一か所に定まらずにいるのがわかります。一方、右側の新しいアルゴリズムでは表面が滑らかなため、非常に美しいハイライトが得られています。このようにわずかなゆがみによって生じる問題が解決されているのです。

今回のβでは三角形の保持は従来通りのOFFがデフォルトですが、ONにしてもいいかもという気がします。どちらがいいか、意見があればコメントください。

他にもオブジェクトパネル回りがBeta1からさらに強化され、より使いやすくなっています。また、DirectX 11のランタイムがなくてもエラーが出ないようにしています(どのみちDirectX 11はVer3.1では対応しません)。β版のため日常使用はお勧めしませんが、新しい機能をぜひ一度体験してください。