コンピュータグラフィクス関連の洋書もゲーム寄りのものだと割と日本語で紹介しているブログ(例えばshader.jpとか)を見かけますが、形状処理の方面になるとほとんど見当たらないですね。以前自分が買った本を再度調べてみたら、自分のブログしか引っかからなかったり。
そんな自分が買う洋書はほとんどの方には関心がないとは思うのですが、全国でたとえ数人でもいれば多少なりとも意味があるかもしれないので、せっかくなので紹介します。
Introduction to the Mathematics of Subdivision Surfaces
タイトル通り、サブディビジョンサーフェスについて数学的な面から追及した内容となっています。ひたすら数式がならんでいるページも多くて、曲率とかに言及した論文を書くならこれくらい理解しとけ、という感じなのかもしれませんが、道具として使うだけならそんなに細かいことわかってなくてもいい気がします。残念ながら自分にはついていけない内容でした。
Semi-creaseのような派生形のものについては紹介くらいしか載せていないので、突き詰める方には逆に物足りないかもしれません。
Advanced Methods in Computer Graphics: With Examples in OpenGL
CGアルゴリズムの入門書程度は一通り理解している中級者の方に特にお勧めです。入門書には出てこない一歩進んだ内容がメインとなっています。例えばQuaternionくらいは入門書に載っているものとないものがありますが、この本だったらDual quaternionまで言及していたり、あとサブディビジョンサーフェスもCatmull-ClarkやLoopだけでなくsqrt(3)まで載せていたりなど、入門書にはない掘り下げが評価できます。ただ約300ページという制約上、それ以上の内容はないので、業務や研究で本気で取り組んでいる人には物足りないという点で、やはり中級者向けかなと思います。
サンプルプログラムもWebからダウンロードできるようになっているのは嬉しい点です。副題にOpenGLと書いてますが、単にglutを使っているだけで、アルゴリズムの理解のためにOpenGLの知識が必要というほどではないです。
これくらいの本が日本語でも出てくれればと思わずにはいられません。