2014年1月10日金曜日

Ver4.1の新機能紹介(1) ボクセロイド

Ver4.1での改良項目は色々あり、詳細については同梱のupdate.jpn.txtをご参照いただいたいですが、項目が羅列しているだけのを見てもわかりづらいかと思いますので、主要なものについてはこのブログで取り上げていきたいと思います。

さて、Ver4.1の追加機能として主だったものとして特筆すべき機能の一つに「ボクセロイド」があります。その名称からも察しがつくかもしれませんが、ポリゴンをボクセル化する機能です。


このボクセル化の機能、何に使うかよくわからないという意見がありました。また、スカルプトと結び付けて考えている意見もありましたが、まったく違います。これは(安価な)3Dプリンターに出力する前の段階でのフィルタ機能として用います。

3DプリンターにSTLファイルを渡す際に、オープンエッジや面の重なりなどが原因のエラーとなってスライスデータ(G-Code)が生成できないことがありますが、一度ボクセル化したデータであれば必ず閉じた閉曲面になるため、通常の編集機能では修正が困難なこれらのエラーに対して有効となります。

解像度によっては元の形状に対してガタガタが目立つように思われるかもしれません。しかし、現在販売されている安価なプラスチックを積層する方式(FDM)の機種では実質的な解像度は数百~1000程度です。また光造形機でも弊社にもあるB9Creatorなど廉価なものではプロジェクターの解像度がXGA(1024*768)であり、ボクセル化の解像度は1024もあれば事足りるということになります。

ボクセロイドは単にボクセル化するだけではありません。立体出力した際にすぐ折れてしまうような細い箇所を補強する機能があります(下図参照)。細いところだけを一回り太くするため全体の形状は維持することができます。また、全体を一回り太く、または細くすることもできます。


またβ2から中空を生成する機能が追加されました。この機能を使って実際に光造形機で出力した結果がこちらになります。


左が完全に内部が詰まった状態、右が内側を中空して出力しています。内側を中空にすることで材料を節約できる他、半透明の素材では透過度を上がって表面の形状が見やすくなります。また膨張・収縮度の高い素材では中空にしたほうが歪みが少なくなる効果もあるようです。

ボクセルデータを編集した後は[ポリゴン再変換]する必要があります。生成されるポリゴンはデータによっては数百万から一千万以上になることもありますが、ポリゴン数の削減機能も備えています。ただ、やはり一時的でも大量のポリゴンを扱う必要があるため、ボクセルの解像度が512では4GB程度、1024では12GB程度を搭載したPCでないとメモリ不足になる可能性があります。省メモリ化・高速化は今後の課題です。

高解像度化・高精度化・省メモリ化が実現できることによってさらなる可能性を持っているのがボクセルです。スカルプトもその一つにありますが、可能なのはそれに限りません。ボクセルを使った機能をまず第一弾としてVer4.1で少しばかり用意しましたが、今後のアップデートでも随時拡充していく予定です。